アメリカ株をリサーチするための最適なサイトはどこ?
2015年2月14日
Akira Kondo
インターネットが発達した今日では、探したいものはなんでもネット上で見つかる。株式などの金融商品も例外ではない。アメリカ株式のリサーチも簡単にネット上でできる。では、どのサイトが一番アメリカ株式研究に適しているか?
一番使いやすいサイトは間違いなく、Yahoo! Financeだろう。もちろん英語のサイトになるが、日本で株の売買をしたことがある人ならすぐになれるだろう。Yahoo! Finance以外にもたくさん使いやすく、コンテンツの豊富なサイトもある。例えば、機関投資家が愛用するBloombergもその一つだ。Bloombergは日本語サイトもあるので、世界中の金融、経済ニュースが日本語で読め、個人投資家にとって多くの情報を得る場所になる。 それらのサイトのアドレスは以下である: Yahoo! Finance: http://finance.yahoo.com Bloomberg: http://www.bloomberg.co.jp それでは、アメリカ株式のリサーチに一番使いやすいYahoo! Financeを見てみよう。まず、そのサイトにアクセスするためにこちらをクリックするか、または自分でhttp://finance.yahoo.comにアクセスしてほしい。 Yahoo! Financeのトップにあるのが、アメリカ投資家がいつも見ているマーケット指標だ。アメリカ優良500社をバスケットにしたS&P 500、超優良30社から構成されるダウ工業指数、そしてテクノロジーをメインに構成されるナスダックが表示されている。このYahoo! Financeが優れているのは、マーケットが開いている間、それらの指標や個別株の値動きがリアルタイムに表示されていることだ。 現在アメリカ市場は日本時間で午後11時半より始まるので(アメリカでサマータイムが始まると、午後10時半からの開始になる)、それ以降の時間で一度サイトを見てみてほしい。指標や株価がリアルタイムに動いているのがわかる。ほかのサイトでは約20分遅れて表示されるので、Yahoo! Financeがどれだけ投資家に重宝されるかわかる。 次にアメリカの個別株を見てみよう。画面トップにあるSearch Finance、または画面左にあるLook Upのスペースにティッカーシンボルを入れてみよう。ティッカーシンボルとは銘柄の略式名称で、例えばアップルならAAPLとなる。日本の銘柄は4桁の番号が与えられているが、アメリカ銘柄の場合は1から5桁のアルファベットで表される(ほとんどの個別株は4桁までのアルファベットで、5桁の場合は信託に使われている)。逆に番号で表されるよりアルファベットのほうが覚えやすいかもしれない。
例えば、StarbucksはSBUX、McDonald’sはMCD、FordはFになる。ちなみに以前は4桁のティッカーシンボルはNASDAQ市場、1から3桁のティッカーシンボルはニューヨーク市場で取引されている銘柄と区別されていていた。しかし、現在でもほとんどの銘柄が以前と同じように分かれているので、ティッカーシンボルを見るだけでどちらの市場で取引されているか分かる。なので、SBUXは4桁なのでNASDAQ市場、MCDとFはニューヨーク市場で取引されている。 では、アップルのティッカーシンボル「APPL」をタイプしてみよう。そうすると、アップルの株価情報が画面に現れる。左上の大きく表示された数字が株価で、その横に緑か赤で表示された数字が上がった、または下がった値段とその率になる。もちろん、リアルタイムで表示されるので、株価の値段の動きがよく分かる。ちなみに、日本では赤で表示された値段は株価が上昇した意味だが、アメリカでは赤は株価が下落した意味になる。反対に、緑の値段が表示されると株価が上がった意味になる。 |
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株価の値段のすぐ下にある「Prev Close」は前日終値、「Open」は始値、「Bid」は売値、「Ask」は買値になる。そのすぐ下にある「1y Target Est」は今後1年のターゲットで、アップル株は1年以内に132.90ドルを目指す意味となるが、これを当てにして株式を売買する必要はない。 そのすぐ下にある「Beta」は重要だ。アップルの場合は1.06と表示されているが、これはマーケット(S&P500)が1%上がると、アップル株は1.06%上がる意味する。または、マーケットが1%下がるとアップル株は1.06%下がることになる。なので、アップル株はマーケットより変動(リスク)が高いことになる。Betaについてはほかの記事にて説明することにして、次の「Earnings Date」を簡単に説明しよう。 これは、アップルの次回の業績発表日を示していて、この場合は4月21日から27日の間に発表が行われると示している。業績発表前後日は株価の変動が激しく、投資家にとってとても忙しい日々になる。個人投資家としては必ずチェックしておきたい日だ。 右上の段に行くと、「Day’s Range」、「52wk Range」、「Volume」と表示されており、それぞれ1日の値動き幅、52週間の値動き幅、そして出来高となる。その下は「Avg Vol (3m)」で、過去3ヶ月間の平均出来高となっている。次が、現在のアップルの時価総額「Market Cap」が表示されている。アップル株の時価総額は先週7,400億ドル、日本円で約83兆円(2月13日時点の為替とアップル株価)となり、アメリカ歴史上で初めて時価総額7,000億ドル越えの企業となった。ちなみに、そのアップルの時価総額はスイスのGDP以上の価値があることになる。 時価総額のすぐ下にある「P/E (ttm)」、「EPS (ttm)」はとても重要だ。前者は日本ではPERで、Price-to-Earnings Ratioの意味になり、後者はEarnings-per-Shareで一株あたりの利益となる。カッコ内の「ttm」はTrailing Twelve Monthで、過去12ヶ月の意味になる。特にP/Eはマジックナンバーとなり、ウォール街では「Multiple」と呼ばれている。日本語で言えば、「掛ける」という意味になり、このアップル株の場合は、「投資家はアップルの一株あたりの利益に対して17.21倍のプレミアムを払っている」ということになる。難しいかもれないが、このP/Eが株価の割安・割高を示す物差しになる。 簡単な掛け算を使うと、EPS x P/E = Stock Priceと表すことができる。Stock Priceは株価になる。アップルのEPSは7.39なので、7.39x17.21=127.18でアップルの株価を表すことができる。もし、アップルがこれから前年以上の利益を上げることが分かっていたら、EPSが上がることを意味するので、将来株価が上がることが分かる。また、次回の業績発表でEPSが上がって、株価が同じならP/Eが下がることを意味し、それはアップル株が割安になったと考えることができる。この公式については英語サイトの「PE Multiple Analysis」に詳しく書いてあるが、次回の記事で日本語訳を記載する予定だ。 一番右下には「Div & Yield」と書いてあり、配当額と利回りになる。アップルは1株あたり1.88ドルの配当を払っている意味で、その値段を現在の株価で割ると配当利回りになる(1.88/127.08=1.48)。配当を中心にポートフォリオを構成する投資家にとってはこのYiledが重要になってくる。 最後に右のグラフをクリックすると、インタラクティブ・チャートが現れる。使い方さえマスターすれば、ほぼ全てのテクニカル分析や、過去の株価の動きを詳しく見ることができるのでリサーチにとても役立つはずだ。また、バランスシートなどの過去の業績などもYahoo! Financeにすべて載っているので是非利用したい。 アメリカ株式をするには、アメリカ投資家が使っているツールを知らなければならない。Yahoo! Finance、Bloomberg、MSN Money、Google Financeなどたくさんのサイトを一度見てみるといいかもしれない。その中から自分が気に入ったサイトを使ってアメリカ株式をリサーチしてみてはいかがだろうか? |
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