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株を売る最善の方法は?
2015年2月13日
Akira Kondo

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日経平均は2013年から今日まで65%上昇し(2月14日現在)、そろそろ保有している株を売って利益を得ようとしている投資家も多いに違いない。昨年、日本は経済が後退したにもかかわらず、それでも株価上昇が続き困惑した投資家も少なくないだろう。もし70%もの利益を含んでいる銘柄があるのなら、先行きの不安なアベノミクス経済を考えると、そろそろ利益を確定してもいい頃だろうと思う。その反面、もしこれからも株価の上昇が続いたらと思うと、なかなか売りに出せない気持ちも大きくなる。

実際、投資家の間では株式を買うより、売る方が難しいと考えるのが一般かもしれない。たくさんの投資家が利益を含んでいた銘柄を売り切れずに、逆にタイミングを逃して損失を得たというストーリーをよく耳にする。または、損失がどんどん膨れ上がり、株の塩漬けなどという言葉を聞くこともある。日本経済は長らくデフレの中にあり、株式市場も停滞が続いた。しかし、今は株価が毎日高値を目指す日が続き、利益にあふれている銘柄を売りに出したい人が多いはずだ。

では、利益を含んだ銘柄の売却をどのように最善な方法で行えばいいのか?

トヨタ自動車を例にとってみよう。ちなみに、このサイトはアメリカ株式投資をメインとしているので、ニューヨーク市場にADR(American Depositary Receipt: 米国預託証券)として上場している、トヨタ自動車(NYSE ADR: TM)を使用することにする。

2013年始まりの頃のトヨタの株価は約96ドルで、現在は約132ドルで取引されている(2月13日、NY市場終値)。日経平均の同期間のリターンに比べると約半分の37%になる。決して投資家にとってはトヨタのこの期間のリターンは喜べるものではないかもしれないが、それでもいま売却すれば37%の利益が確定できる。


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2013年からのトヨタ自動車(NYSE ADR: TM)と日経225のパフォーマンス。Source: Yahoo! Finance

しかしトヨタの株を売却して、これからも株価が上がり続けたら嬉しい気はしないだろう。原油価格は下落して、自動車の需要も増えてきている。アメリカ、中国のトヨタの販売台数は過去最高を記録している最中で、これからもトヨタ株が上がる可能性もある。その反面、中国経済の減速により、世界経済の不安定な状態が続き、トヨタの世界販売にも影響が出るかもしれない。

そう考えると、トヨタ株を保有することは半々と考えていいかもしれない。もし、トヨタ株を100株保有していたとすれば、3,600ドルの含み益があることになる((132ドルー96ドル)x100株)。全ての株を売却すれば、今すぐ3,600ドルの利益を得ることができる(もちろんその利益に対して、手数料と税金を払わないといけないが)。しかし全ての株を売ってしまうと、これからトヨタ株が上昇してもそれ以上の利益を得ることができない。

それを解決するためには、売却を2回に分ければ簡単だ。100株すべてを売るのではなく、まず50株を売り、残りの50株を保有し続ければいい。50株の売却になるので、1,800ドルの利益を確定することができるし、それでも同じ37%のリターンだ。もしこれからトヨタ株が上昇を続ければ、残りの50株が利益を作ってくれるし、また株価が下落すれば、もう既に50株の利益を確定しているので気分も楽になる。加えて、株価が下落することによって、またトヨタ株を売った値段以下で買い増すことができる。

また、売却を2回に分けるのではなく、25株を4回に分けて売却してもいい。これは個人の自由だし、投資額にもよるだろう。もし、一つの銘柄に10,000ドルの価値があるなら、4回に分けて売却してもいいし、もし2,000ドルなら2回に分けて売却するのがいいだろう。しかし、2,000ドルの価値がある銘柄を2回以上に分けて売るのはやめたほうがいいだろう。1回の売却で10ドル以上の手数料がかかるので、売却回数が増えることによって手数料が大きなコストになる。できるだけ、手数料が少なくなるように数回に分けて株を売却するのが賢明だ。

今年に入ってから株価は乱高下が続いている。この機会をうまく利用して利益を含んでいる銘柄を少しずつ売却してみてはどうだろう。売却後にそれらの銘柄が下がったらまた買い増してもいいし、ほかの気に入った株を買ってもいい。売却して得た利益はこれからの投資機会を一段と大きくしてくれるだろう。




Economics Universe及びこの記事はアメリカ投資、または投資全般についてのアイデアであり、個々の株式銘柄を推奨しているわけではありません。株式投資は自分自身にあったリスクを考えて、自身の意思で売買してください。またEconomics Universeでは日本語で記載がない場合は英語での注釈が優先されます。
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