Economics Universe
  • Home
  • Economics Bulletin
  • Investment Bulletin
  • China Bulletin
  • Academic Bulletin
  • 日本語 Home
  • アメリカ株式投資 HOME
  • Contact me
  • Life with Tesla

分散投資は無料のランチ
2015年1月26日
Akira Kondo

Picture一つのバスケットにすべての卵を入れるのは危険だ。もしバスケットを落としたらほとんどの卵が割れるだろう。これが分散投資をしないときのリスクと考えると簡単だ。
「Diversification is the only free lunch.」アメリカの投資番組でよく聞く言葉だ。アメリカ著名投資家ジム クレイマーがホストのCNBC「Mad Money」で何回もその言葉を叫んでいる。日本語で直訳すると、「分散投資は無料のランチだ」という意味になる。もちろん日本の投資家の間でも知られている言葉だ。しかし、その言葉を知っていても目先の利益に期待してそのルールを破る投資家はたくさんいる。そして、たくさんの損益を得る投資家も少なくない。今回はこの分散投資についての基礎を簡単に学んでみたいと思う。

分散投資の効果が発揮されるのは、2つ以上の銘柄を持ち始めた時だ。例えば、ポートフォリオの中に2つの銘柄を保有していたとする。一つは成長豊かなテクノロジーの株、もう一つは景気にあまり左右されないヘルスケアの株。この銘柄のコンビネーションは、立派な分散投資だ。テクノロジー関連株は景気に大きく左右されるので、もし景気が悪くなってその株が下がっても、もう一つのヘルスケアの株が持ちこたえてくれるだろう。反対に、もし2銘柄ともテクノロジーだったら、景気が悪化しているときに、それぞれの株価は下落しポートフォリオに大きなダメージをあたえることになるだろう。もし、両方の株が33%下がることになったら、もとの株価または投資資金に戻るまでは50%のリターンが必要になる。そういうことから分散投資は投資を始める基礎となる。

では、なぜ分散投資が「無料」なのか?株式への投資は、銀行で定期にお金を預けるよりもリスクが高い。なので、株式投資に必要になってくるのは、どれだけリスクを減らす、またはリスクをコントロールできるかが鍵になってくる。そのリスクを簡単に、そして無料でコントロールできる方法が分散投資である。株式投資には主に2つのリスクが存在する。「分散不能リスク(Systematic Risk)」と「分散可能リスク(Unsystematic Risk)」である。前者はマーケットリスクとも言われ、投資家がコントロールできないリスクなので、後者について詳しく説明したいと思う。

分散可能リスクは、その言葉のように分散投資によってリスクをコントロールすることが可能である。近代ポートフォリオ理論では、ポートフォリオに含まれる銘柄が増えるほどそのリスクを減らすことができると言われる。例えば、ポートフォリオの中に10銘柄入っていれば、5銘柄入っているよりそのリスクを半分近く下げることができる。もし、ポートフォリオに30銘柄以上は入っていればその分散可能リスクは格段に下がり、それ以上の銘柄を保有するとそのリスクは最大限に下げることができる。分散することによってリスクを下げることができるので、まさしく無料だ。




関連記事

Diversification: Systematic Risk and Unsystematic Risk

Picture
近代ポートフォリオ理論では、たくさんの銘柄をポートフォリオに入れることによって分散可能リスクを減らすことができる。10銘柄よりも15銘柄保有している方がリスクを減らすことができるが、それ以上を保有するには手数料もかかるし、手間もかかる。資産運用額にもよるが、個人投資家なら最大15銘柄ぐらいの保有が妥当だろう。
しかし、実際30銘柄の株式を保有することは「無料」ではない。いくらこの金融サービスが発達した現在でも、株式の売買には手数料がかかる。もし30銘柄のアメリカ株式をオンライン証券で購入したら、750ドルの手数料がかかる(約25ドルの一回の取引に必要と考えて)。日本株の取引だったらその手数料は格段に安いだろう。また、個人投資家が30銘柄を 保有することは理にかなっているだろうか?株式を保有することはそれらの企業の投資家であり、最低でもそれらのビジネスや業績などの勉強をしないといけない。30銘柄のリサーチするのは時間がかかるし、とくに働いている人にとってはそのような時間はないだろう。

その分散可能リスクは5銘柄の保有でも十分減らすことができるので、その辺りから始めるのが妥当だろう。投資資金にもよるが、10〜15銘柄あたりが一番効果を発揮できる保有数かもしれない。15銘柄も保有すれば十分にリスクを下げることもできるし、手数料も安くてすむ。そして大事なのは、15銘柄までなら、投資家として毎週それらの株について勉強する時間も十分持てるだろう。もちろん5銘柄でも大丈夫だが、その5銘柄の選択にはしっかりと分散投資が発揮できるように考えよう。詳しくは「1,000ドルから始めるアメリカ株式投資」を参考にしてほしい。

無料で使える分散投資をマスターできれば、十分に立派な投資家だ。実際これができない投資家は世界中にたくさんいる。まず、株式投資で基礎となる分散投資ができるポートフォリオを構成してみると、これからの銘柄選択がもっと楽しくなるだろう。



関連記事

1,000ドルから始めるアメリカ株式投資

Powered by Create your own unique website with customizable templates.