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鉄道関連の中国株式:中国中鉄(HK:390) & 中国鉄建(HK:1186)
2015年3月3日
Akira Kondo

Picture高速鉄道の建設は毎日行われている。写真は湖南省娄底南駅から邵阳市に繋がる建設中の橋桁が延々と続いている。
2007年に開通した中国新幹線システムだが、その拡大の勢いは止まる気配がない。それだけの勢いがあるのなら、それに関係のある株式がどうなのか気になるところだ。中国の鉄道システムを管理しているのが政府主導の 中国中铁(China Railway Engineering Corporation、又はChina Railway Group、以下CREC:HK: 390)と中国铁建(China Railway Construction Corporation Limited、以下CRCC:HK:1186)になる。両者とも主に鉄道システムの建設を国内外で行っているが、高速道路やトンネルの建設など交通に関わるビジネスも行っている。

日本人投資家がその株式を購入できるかというと、(オンラインも含み)多くの証券会社で売買することができる。両者とも上海と香港市場で取引されているが、香港市場を介しての売買が一般的になるだろう。ティッカーは上記にあるように、
HK: 390とHK: 1186になる。過去1年のパフォーマンスはCRECが約80%のリターンに対して、CRCCは約45%で、ちなみに中国の超優良企業30社からなるiShare China Large-Cap ETF (FXI:CRECとCRCCも含まれる)は約20%である。


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中国中铁(緑)と中国铁建(赤)の過去1年の株価は、中国の超優良企業30社からなるiShare China Large-Cap ETF (白)よりパフォーマンスが高い。Source: Bloomberg
中国経済は近年7%台の成長と以前の勢いはないが、昨年の中国株式市場は55%上昇した(「2014年中国株式市場が55%の上昇率を記録」を参照)。もちろん原油価格下落などの影響が株式市場の上昇を招いたのは間違いないが、鉄道ネットワークの拡大が続く中国では鉄道関連株はその中でも人気が高い。過去1年で株価が80%上昇したCRECの売上高と純利益を見てみよう。鉄道網の拡大が続く中国では設備投資にかかる費用が高いためか、売上高からの利益率が2%にも満たないが、その成長率は売上高とともに過去数年は2桁台で上昇している。これからの鉄道ネットワーク拡大により売上高の成長は期待が持てる。
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(左)中国中铁(HK: 390)の過去5年間の売上高と純利益。(右)中国の四半期毎のGDP成長率。去年から7%台の成長が続いている。Sources: China Railway Group Limited Interim Report 2014, National Bureau of Statistics of China
しかし、鉄道建設は景気に左右されやすい工業セクターに属するので、中国経済の減速はきになるところだ。中国政府が目指している消費大国への構造変化がどのように進むかが注目になる。昨年後半の原油価格の下落は消費に好影響を与えるだろう。これから中間層がどんどん増えて行く中国では、割高な高速鉄道を利用する消費者が間違いなく増え続けるのは間違いない。また、高速鉄道のネットワークが拡大するにつれて、長距離間でも航空会社と競争できるようになり、広大な中国大陸の移動オプションが広がる。これからも発展が望める鉄道ネットワークの拡大は、CRECやCRCCの株式の保有は面白いかもしれない。


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