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スターバックス・上海:モダンな上海人の大好きなサードプレイス(Page 1/2)
2016年3月21日
Akira Kondo

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上海、そこは毎日眠ることなくその姿を変わり続けるダイナミックなグローバル都市。近年、中国経済が減速しているのにもかかわらず、その都市には賃金の高い仕事を求め全土から多くの人が集まり、その間に上海人と呼ばれる現地の人たちはモダニティーを探し求め街中を駆け回っている。まさに、その光景はユートピアだ。モダニティーの一番の例としては、iPhoneやスターバックスだろう。金融街の陆家嘴 (Lujiazui)と上海人のベッドタウン・静安寺を走る地下鉄2号線では、多くの乗客が最新のiPhoneを手に持って様々な情報を共有し、そしてその背面のゴールド、今ではローズゴールドのカラフルな色が車内のいたるところで美しく輝いている。地上ではグリーンマーメイドがあちらこちらで輝き、歩行者天国の始まりでもある南京東路(East Nanjing Road)から南に3ブロックほどにあるスターバックス・ラッフルズ店では毎日多くの上海人や旅行者で溢れかえっている。金融街のある黄浦川(Huangpu River)の対岸では、いたるところにあるスターバックスの店内でホワイトカラーの人たちが朝からコーヒーを求めて列を作り、午後になると彼らのミーティングの場と変わる。スターバックスは過去数年で中国最大の商業都市、上海を中心にあちらこちらにものすごい勢いで店舗を拡大し続けている。現在その店舗数は中国本土(香港、マカオ、台湾を除く)で1,700店舗以上となり、そのうちの382店舗が上海になる。
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上海経済の基本
 
今年第3四半期までの年率ベースによる中国経済の成長率は6.9%となり、2014年の7.4%の成長率に比べると減速傾向が顕著に表れている。その間に、上海証券取引所総合指数(SSE指数)は6月の5,166ポイントから先月までに35%以上下落し、3,300ポイントまで急落した。 多くの主要新聞は長年続いた中国経済崩壊 などの記事を世界中に配信し、人々もアメリカや日本などの先進国の所得水準に達する前に中国経済は終わりを迎えたと思い込むようになった。2014年度の中国の一人当たり国内総生産(GDP)は46,629人民元、または7,346米ドル(日本円で約90万円、2015年11月12日時点)。
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(左)中国本土のGDP成長率、2001−2014年。(右)上海証券取引所総合指数、2015年1月—10月。|参照:National Bureau of Statistics of China, Yahoo! Finance
ウォールストリート・ジャーナルやファイナンシャル・タイムズ紙などを読むと、中国経済減速の数字がグラフになって誰にでもわかりやすく描かれている。しかし、今もしあなたが上海にある南京東路の歩行者天国を歩いているとこのような質問をしてみたくなるだろう、「本当に中国の経済は減速しているのか?」と。その南京東路を夕方に歩いてみると、あなたはいつも民衆の真ん中に位置するだろう。その周りでは上海人のグループがダンスをしたり、マイクを持って歌を歌ったり、また多くの乗客を詰めたトラムが蛇のようにくねくねと多くの民衆を掛け分けながら走っている。このような光景は他の国ではまず見ることはないだろう。
 
上海は特別だ。一人当たりの年間所得は97,118人民元(2014年度)に達し、その額は中国全土平均の2倍以上になる。もちろん平均ベースなので、所得の格差によってその平均から大きく外れる人も多い。上海の人口は2,400万人に達し、その中にいる上海生まれの上海人は住宅バブルの恩恵を受けて裕福な存在と知られている。ブルームバーグによると、上海では約16万人がミリオネア(1,000万元以上、または160万米ドル、日本円で1億9千万円)と知られ、もし近郊の杭州、苏州、宁波を含めると23万人がミリオネアと知られる。それもそのはずで、上海の至る所で新型ポルシェのSUVが走っており、また5つ星ホテルの駐車場ではフェラーリやランボルギーニをよく目にすることができる。
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上海経済の基本:上海経済とスターバックス|参照:Deutsche Bank Research: Shanghai, National Bureau of Statistics of China, Starbucks China
スターバックスで人気のキャラメル・マキアートと朝に最適なカフェ・アメリカーノ(両ドリンクともホット、トールサイズ)の中国での値段は、それぞれ31元と22元だ(日本円でそれぞれ598円と425円、2015年11月12日時点)。中国本土の平均に比べて格段に高い上海人や上海で働くホワイトカラーたちの所得レベルは、高価なスターバックスのドリンクを購入することにためらうことはない。しかしながら、31元のキャラメル・マキアートは決して安価とは言えないだろう。その31元があるなら、デパートの中のレストランで夕食ができるほどだ。例えば、マクドナルドのビッグマックセット(ビッグマック、ミディアムサイズのポテトとドリンク)が23元で購入することができる。ちなみに日本人駐在人に人気のラーメン店や定食屋さんでも30元ほどで十分なところも多い。したがって、中国のスターバックスの商品がどれだけ高価だかわかる。それでも所得レベルの高い上海人にとっては、財布の中身を気にせずいつでも気軽にスターバックスで彼らの好みのコーヒー、そしてモダンなひと時を楽しむことができる。
 
その所得レベルの高い上海人によって、上海にあるスターバックス店舗数は382店舗になる(2016年10月26日、スターバックス中国との電話インタビューによる)。中国本土にある店舗数が約1,700店舗なので、そのうちの23%の店舗が上海に存在することになる。スターバックスはこれからも多くの店舗を中国本土の各地域に展開をする予定で、裕福な大都市上海ではさらに店舗数が増えるだろう。ちなみに、2011年の中国本土のスターバックスの店舗数は500で、過去5年で店舗数が3倍以上に増えたことになる。
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スターバックス店舗数:中国本土&日本(スターバックス会計年度によりグラフ作成。12月27日が2015年会計年度の最終日。従って、Q42015は2015年9月27日時点、Q12016は2015年12月27日時点。| 参照:Starbucks Investor Relations

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2015年11月12日に掲載された「Starbucks in Shanghai, China: Modern Shanghainese Favorite Third Place」より翻訳

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スターバックス
上海


スターバックス:
世界中で広がる
グリーン・マーメイド

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Starbucks China Fact 1:

中国のスターバックス店舗数はいくつ?

現在中国本土にある店舗数が約2,000店(2016年2月時点)。しかし、2016年初め、スターバックスは今後5年間中国本土に毎年500店舗ほど増やすと発表した。現在の2,000店舗から2020年までに2倍以上の約4,500店舗になる見通しだ。ちなみに日本にある店舗数は約1,165店(2015年末)。

Starbucks China Fact 2:

中国のスターバックスは
高い?

中国人の消費者にとっても高価なスターバックスだが、日本人にとっても値段が高く感じるかもしれない。カフェ・アメリカーノは22元、人気のキャラメルマキアート(ホット、トールサイズ)は31元(税込)。それらの値段を今日のレートで日本円に換算するとそれぞれ約380円、535円になる(2016年3月20日時点)。ちなみに日本でそれらの商品の値段はそれぞれ340円、420円(税抜き)と中国より安い。

Starbucks China Fact 3:

中国でスターバックスの
店舗数が一番大きい
​都市/省は?

それはもちろん中国で一番の商業都市、上海。2016年2月20日にスターバックス中国との電話インタビューの結果、上海に433店舗あるとのこと。ちなみに2番目は首都の北京ではなく、上海近郊の南京がある江苏省で272店舗。3番目は、また上海近郊にある西湖で有名な杭州がる浙江省の224店舗。そして次に首都・北京の206店舗になる。上海、北京はともに省には属さない直轄市に当たる。

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