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アメリカ連邦準備銀行と金融政策目標(ページ3/3)
2015年9月15日
Akira Kondo

Pictureシカゴ連邦準備銀行のマネー・ミュージアムにて展示されている「E5」リッチモンドで印刷されたジャクソン紙幣。
アメリカ紙幣はどこで印刷されているの?

今日アメリカに行かれた方なら気付いたかもしれないが、多くのアメリカ紙幣が真新しくなっており、金融危機前にアメリカに旅行や出張で行かれたときなどによく手にした古くて汚い紙幣が想像もできないぐらいだろう。それだけ多くの紙幣が過去数年に印刷されて、市場に多くのお金が注入されたことで経済や金融に興味がない人でもQEを実感できたにちがいない。

ワシントンD.C.にある連邦準備銀行本部は金融政策目標を達成できるよう誘導しているが、アメリカ本土の12地域にある連邦準備銀行は紙幣を印刷して、金融機関を通して市場にお金を循環させている(もちろん紙幣を印刷しているだけではなく、先述にあったように、各地域にある連邦準備銀行は管轄地域の経済状況を頻繁に観察して、FOMCなどの重要な会議に参加している)。従って、旅行や出張先の銀行で得たアメリカ紙幣はその地域を管轄している連邦準備銀行が印刷した紙幣の可能性が高い。そして、各紙幣にはiPhoneと同じように、数字とアルファベットでシリアルナンバーが付いている。例えば、最近サンフランシスコに行かれたなら、財布の中にある20ドル札や100ドル札などの紙幣をよく見てみると、数字の「12」とアルファベットの「L」が記載されているのに気付くだろう(もちろん、他の地域から運ばれてきた紙幣もあるので、「12L」とは限らない)。その「12L
」が記載された紙幣は、サンフランシスコ連邦準備銀行が印刷したという印で、ちなみに他の地域の連邦準備銀行で印刷された紙幣は以下の通りになる:



1A – ボストン
2B – ニューヨーク(プエルト・リコ、バージン諸島含む)
3C – フィラデルフィア
4D – クリーブランド
5E – リッチモンド
6F – アトランタ
7G – シカゴ
8H – セントルイス
9I – ミネアポリス
10J – カンザスシティ
11K –
ダラス


Picture
「L12」サンフランシスコ連邦準備銀行にて印刷された新・旧のフランクリン100ドル紙幣。
面白いことに、12中11の連邦準備銀行はアメリカ中部から東海岸にかけて存在し、サンフランシスコ連邦準備銀行はほぼすべてのアメリカ西部に加えて、アラスカ、ハワイ、グアムも管轄している。ニューヨーク連邦準備銀行によると、このサイズの矛盾は、東海岸に人口が集中していた1913年の人口分布によってできたそうだ。今現在ではカリフォルニア州だけでもアメリカ経済全体の約15%を占めているので、(必要ではないかもしれないが)将来新しく13行目の連邦準備銀行ができるかもしれない。


連邦準備銀行には入れるの?

ワシントンD.C.にある連邦準備銀行本部を含めてほとんどの地域にある連邦準備銀行に入ることは残念ながらできないが、しかしニューヨーク、シカゴ、カンザスシティにある連邦準備銀行には実際に入ることができる。
筆者は今までに多くの連邦準備銀行を見てきたが、特に山積みされたゴールド・バーが地下に保管されているニューヨーク連邦準備銀行は是非お勧めしたい場所だ。


Pictureニューヨーク連邦準備銀行
ニューヨーク連邦準備銀行

12の連邦準備銀行の中で一番大きなニューヨーク連邦準備銀行は、マンハッタン南部にあるウォール・ストリートのすぐ近くに位置する。ニューヨーク連邦準備銀行は地下には、アメリカ政府に加えて各国政府や中央銀行から預かっているゴールドが保管されていていることで有名だ。このニューヨーク連邦準備銀行にはグループツアーとして一般の人も入ることができ、今後もしニューヨークに行く機会があるなら、そして経済や金融に興味がある方ならぜひ立ち寄ってみるといいだろう。しかし連邦準備銀行のビルに入るには、ツアーに参加することが条件になるので、その予約をインターネット上でしなければならない。もちろん英語のウェブサイトになるので、ある程度の英語力は必須だが、どちらにしてもツアーも英語での講義スタイルなので、かなりの理解力が必要になる。このツアーのハイライトは間違いなく地下に位置するゴールドの貯蔵庫で、その中に入ると実際のゴールドが山済みにされているのが見え、そしてそのゴールドの匂いがするほどだ。先ほども言ったように、経済や金融に興味がある人、経済学部などの学生はぜひツアーに参加してみるといいかもしれない。

ツアーの予約方法だが、英語がある程度理解できるなら、ニューヨーク連邦準備銀行のウェブサイトで簡単にできる。しかし、そのスポットは予約システムが開始されるとすぐに埋まってしまい、予約するのは意外に困難だ。予約システムは毎月1日に翌月の予約が可能になるので、できる限り翌月の予約ができるようになる初日にスポットを確保しておきたい。またツアー当日は、パスポートなどの国が発行したIDと予約確認のコピーが必要になるので忘れずに持っていかないといけない。そして、入場時にセキュリティチェックがあり、大きな荷物の持ち込みも厳禁となる。

ニューヨーク連邦準備銀行ウェブサイト:
http://www.newyorkfed.org



Pictureシカゴ連邦準備銀行
シカゴ連邦準備銀行

シカゴ連邦準備銀行はダウンタウンに位置しており、Loopなどの公共交通機関で簡単にアクセスできる。もしダウンタウンのホテルに滞在なら、散歩がてらに行くことも可能だ。ニューヨーク連邦準備銀行のようにツアー形式ではなく、シカゴ連邦準備銀行はマネー・ミュージアムとして一般や現地の学生などに開放しており、誰でも簡単に入れるのが魅力だろう。もちろん日本人の観光客にとってもぜひ立ち寄ってみたい場所だ。このマネー・ミュージアムは連邦準備銀行のシステムをボードなど使いわかりやすく展示している。ハイライトは100万ドルのアメリカ紙幣が透明のブリーフケースに入っている展示場所だろう。そこでは自動で写真撮影を行っているのでぜひ記念に撮っておきたい。もちろん無料だ。また、シカゴ連邦準備銀行のマネー・ミュージアム入場にはニューヨーク連邦準備銀行のようにパスポートなどのIDがセキュリティチェック時に必要になる。予約などは必要ないので、時間があるときに立ち寄ってみるといいだろう。

シカゴ連邦準備銀行ウェブサイト:
www.chicagofed.org/



カンザスシティ連邦準備銀行

カンザスシティ連邦準備銀行はダウンタウンから少し離れた場所にあり、市内を一望できる丘の上に位置している。またそこには第一次世界大戦ミュージアムがあり、カンザスシティの観光スポットの一つだ。そのカンザスシティ連邦準備銀行に行くには、レンタカーが一番便利な手段だろう。無料の駐車場がカンザスシティ連邦準備銀行と第一次世界大戦ミュージアムの間に用意されてあるのでそこに車を停めればいい。車がない場合はバスなどの公共交通機関があるが、ダウンタウンから1.5キロほどの距離なので、天気が良ければハイキングがてらに歩いて行くのもいいかもしれない。しかし治安には注意したい。
Picture
(左)カンザスシティ連邦準備銀行 (右)バッグに入った細かく切断された紙幣は記念に持ち帰ることができる。


シカゴ連邦準備銀行のようにカンザスシティ連邦準備銀行もマネー・ミュージアムが設置されている。規模は大きめで、ギフトショップもある。このミュージアムではどのように連邦準備銀行とお金のシステムが働いているか学ぶことができる。また、連邦準備銀行の歴史や旧コインなどの展示物が沢山あるので見ておきたい。ミュージアムの奥には紙幣を印刷している場所をガラス越しに見学できる。ちなみに、カンザスシティ連邦準備銀行で印刷された紙幣には「10J」が記載されている。ミュージアムを出る前に、興味があったら細かく切断された紙幣のバッグを記念に持ち帰って行くといい。もし繋ぎ合わせることができれば、約600ドルぐらいになるはずだが、もちろんシリアルナンバーが合わないので価値はない。他の連邦準備銀行と同じように、カンザスシティ連邦準備銀行のミュージアムに入場するときにIDが必要なので忘れずに持っていきたい。また、入場時には引き換えに訪問者バッチが渡される。ミュージアムを出るときに、そのバッチをカウンターで渡すと、IDを返してくれる。

カンザスシティ連邦準備銀行ウェブサイト:
https://www.kansascityfed.org/moneymuseum


以上3地域にある連邦準備銀行は一般の人でも入れる機会があるので、もしそれらの地域に行かれるならぜひ立ち寄ってみるといいだろう。連邦準備銀行は土日・祝日や金融機関が閉まっている日は休みだ。筆者は今までにたくさんの連邦準備銀行を見てきたが、サンフランシスコ、セントルイス、ミネアポリス連邦準備銀行は一般の見学は許されていない。ボストン、ダラス、クリーブランド、アトランタ連邦準備銀行は今までに行く機会がなかったので一般にも公開されているかはわからないが、将来行く機会があったらそのときまた詳しく書きたい。

もしそれらの連邦準備銀行に行く機会がなかったとしても、興味があればぜひサンフランシスコ連邦準備銀行のウェブサイトを訪問してほしい。12ある連邦準備銀行のなかでもサンフランシスコのウェブサイトは、連邦準備銀行システムやその歴史、そして金融政策などが豊富にかりやすく説明されている。

サンフランシスコ連邦準備銀行ウェブサイト:
http://www.frbsf.org






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