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iBillionaire ETF 「IBLN」: 億万長者達が選ぶ銘柄
2014年12月25日
Akira Kondo

アメリカでは多くのETF(Exchange-Traded Fund)が毎日取引されている。日本語で株価連動型信託だ。アメリカ市場の指標になるS&P 500と連動するSPDR S&P 500 ETF、「SPY」は多くの投資家に取引されている。金融のグローバル化が進み最近はほぼすべての証券会社で「SPY」や多くのETF商品を売買することができる。ETFの特徴としては、アメリカの市場が営業している時間なら、いつでも株式と同じように売買できることだ。また、ファンドマネージャーを要する信託に比べれば、 取得コストは格段に低い。それらの人気性もあって、いま現在たくさんの、そして様々なETFが市場で取引されている。

今回は、今年から新しく登場したユニークなETF「IBLN」を紹介する。IBLNはDirexion Investmentsが今年8月1日から取引を開始した「iBillionaire Index」で、10人のビリオネラー(10億万ドル長者)が選んだ30銘柄に及ぶ個別株のバスケットだ。特徴は上記の通り、ビリオネラーが頻繁に選択する30の個別株をETFにして市場で売買されていることだ。

IBLN
が保有するトップ10の個別株は以下だ(2014年9月30日時点):


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Source: Direxion Investments “Fact Sheet as of Sep. 30, 2014”

すべての株が時価総額100億ドルを超える大型株だ。Microsoft、eBay、Citigroupは日本でもよく知られている会社だろう。Crown CastleやMicrosoftは高配当で長期保有にも優れている。セクター別で見るとテクノロジー関連が一番ウエイトを占めるが、次に大きいウエイトが生活必需品などを占める「Consumer Discretionary」になるのでリスクはコントロールされている。その次は金融、エナジー、ヘルスケアなどだ(2014年9月30日時点)。

では、今年8月1日からIBLNが市場で取引されてからの、マーケット(S&P 500)に対してのパフォーマンスはどうだろう。S&P500と連動するSPDR S&P 500 ETF「SPY」は7.9%のリターンに対して、IBLNは4.3%のリターンである(12月23日の終値時点)。1株あたりの8月1日から現在までの配当金額はSPYが2.10ドルに対して、IBLNは0.06ドル。


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IBLNが8月1日から市場で取引されて以来、SPYの7.9%のリターンに対して、4.3%のリターンを得ている。Source: msn money
PictureSources: SPDR State Street Global Advisors, Direxion Investments, Yahoo! Finance

このIBLNを保有しているとどのような利点があるか?

ビリオネラーが実際に保有している銘柄が入ったポートフォリオのパフォーマンスを得ることができる。彼らが選択した大型から中型株のみの30にいたる個別株なので、小型株が含まれたETFよりリスクが軽減される。また30の個別株のみなので、ダウ工業株価指数(30優良株のバスケット)との比較にも適しているかもしれない。


では、IBLNを保有していて弱点になるのは何か?

ビリオネラーによって選択された30銘柄のみが入ったETFなので、マーケットに比べて変動が激しい。株式の組み替えが多くなると、それにかかった手数料はパフォーマンスに影響する。また、S&P 500のパフォーマンスと連動するSPDR S&P 500 ETFにかかる年間の保有価値に対しての手数料は0.09%だが、IBLNは0.65%と高い。そして、市場で取引されているボリューム(取引量)が格段に少ないこと。そのせいで売りたい値段で売却することが難しくなる可能性もある。

様々なETF商品がある今日では、このIBLN
はとてもユニークである。世界の金融市場をリードするアメリカならではの発想かもしれない。




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