アップル:ダウ工業指数に仲間入りへ、その影響は?
2015年3月6日
Akira Kondo
アップルにとってこのダウに仲間入りするニュースは光栄なことだろう。ダウ指数に含まれる30社は、どれをみても優良企業で、日本人でも知っている会社がほとんどに違いない。しかし、今までなぜ世界で一番の時価総額をもつアップルがその30社に入れなかったことが不思議なぐらいだ。ダウ指数は株価の平均値から試算されるので、株価が高ければ高いほどその指数に与える影響が大きい。30社の中で一番低いダウ構成銘柄はシスコ・システムズ(NASDAQ: CSCO)の約30ドルで、一番高い銘柄はVISA(NYSE: V)の274ドルだ(3月6日時点)。しかし、VISA株はアップルがダウ指数に加わる同じ日に4:1の株式分割が行われ、約70ドルになる(3月6日の株価を参考にして)。そうなると、次に株価の高い銘柄は190ドルで取引されているゴールドマン・サックス(NYSE: GS)になる。130ドル前後で取引されているアップル株は、ダウ30社の仲間入りに支障がなくなったのもうなずける。 さて、これからダウ指数に含まれることになるアップル株への影響は何かが気になる。もちろんその影響はポジティブだ。これからアップルがダウに含まれる19日にかけて、多くのファンドマネージャーがアップル株を購入しなければいけなくなる。その意味は、ファンドマネージャーがダウと連動したポートフォリオを運用している場合、AT&T株を売って、アップル株を購入しなければいけない。また、アップルはもともと人気があり割高ではない銘柄なので、そのニュースにつられてアップル株を購入する投資家が増えるだろう。そして、歴史上の最高値の更新を続けるダウ指数にとってもアップルの仲間入りは歓迎だ。成長性があり、投資家に人気の銘柄が加わることによって、将来の最高値更新を後押ししてくれるだろう。これからのアップル株とダウ工業指数の動きに注目だ。
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