Economics Universe
Home
Economics Bulletin
Investment Bulletin
China Bulletin
Academic Bulletin
日本語 Home
アメリカ株式投資 HOME
Contact me
Life with Tesla
中国:11月11日の大セール、「猫」と「犬」の大戦争勃発
2016年11月11日
Akira Kondo
アリババ「天猫」の広告は地下鉄駅構内などにたくさん貼られている。写真は今年11月7日、上海・人民広場駅にて撮影。
11月11日は中国人なら誰でも知る日となった。オンラインショッピングサイト大手のアリババが実施する年に一度のオンラインショッピング・デーだ。数字に「1」が並ぶので、もともとは独身者のための「シングル・デー」だったが、今ではミレニアル世代(Millennial、1980年生まれ以降)を中心に、多くの消費者がこの日を楽しみに待つようになった。
ちなみに、そのアリババのオンラインショッピングサイトは「天猫(Tian mao)」、また英語では「T-Mall」と呼ばれ、世界中の多くのブランドアイテムや国内の商品が購入できる。もちろん、11月11日はそれらのアイテムが割引となる。またアリババにはもう一つのオンラインショッピングサイトがあり、そちらは「淘宝(Taobao、タオバオ)」と呼ばれ、主にブランド商品以外のものが売られている(偽物商品が売られているのもこちらだ)。もともと割安で販売している淘宝では、11月11日でもあまり割引が少ない。
もちろん、アリババの競合相手も黙っていない。「天猫」の次に人気のオンラインショッピングサイトはJD.com(中国名「京东(Jing Dong)」)で、11月11日はアリババと同じように割引を実施し客の奪い合いを行う。そのこともあって中国で11月11日は、「猫狗大战(Mao gou da zhang)」と知られており、日本語では「猫と犬(中国語で犬は狗)の大戦争」という意味になる(アリババの「天猫」は文字どおり「猫」、JD.comのシンボルは「犬」)。
(上)iPhoneのアリババ「天猫」とJD.com(京东)のアプリ。前者は「猫」、後者は「犬」をキャラクターとしている。(下)アリババの「天猫」と「淘宝」のアプリ。
世界一位のインターネット大国とあって、今年も過去最高の売り上げを記録する予定だ。昨年はその「シングル・デー」で143億米ドル(日本円で約1兆5千億円)の売り上げを記録し、1日のみでの売上高として地球の歴史上最高を記録した。その数字をアップル・iPhoneの売上高と比較すると、先月末に発表された今年7月から9月のiPhoneの売上高が$281億ドルなので、アリババはその半分の売上高を1日で達成したことになる(もちろんiPhoneの売上高も凄いが)。
今年の売上高は24時間で$200億米ドルとの予想も出ているので、世界の投資家やアナリストの注目となっている。そのアリババ(NASDAQ ADR: BABA)の時価総額は、中国企業第1位のWeChatで知られるTencentに$100億米ドルと迫る、2,358億米ドルで第2位だ。Jack Ma率いるアリババ、世界1位のオンライン消費大国でどこまで大きくなるのか?